クリニック選びは慎重に

2021年春、イギリス人夫のイギリス帰国が決まりました。日本に出来るだけ留まりたかった私にはショックでしたが、いつかこうなる事は覚悟していました。でも、一緒にイギリスに行く前にやっておきたいことがありました、それは不妊治療。早速、都内の某有名クリニックの不妊検査に申し込みました。

検査が一通り終わり、院長から今後の治療方針について話を聞くうちに、私たちがいずれ海外に移るとわかった途端血相を変えて、「何でここに居るんですか!帰ってください!」

クリニックによって方針や受け入れ態勢は違うのかも知れないけれど、何の状況把握や説明もなしにそう言い放たれ、ショックでした。まるで自分たちの治療成績でも気にしているかのように(もし検査受診者が成功率の母数になるのなら)。

でもきっとどこのクリニックも私たちみたいな状況の夫婦にはそんなものなんだろうなと、その時は深く追求しませんでした。その後数年を経て、イギリス在住の私たちを快く受け入れてくれた新宿のクリニックに出会った時、もしもあの時、あの至極冷たいクリニックでなくてここにすぐに来ていたら、今頃は1人既に授かっていたかもしれないと思うと、やるせなさと怒りが込み上げてきました。

イギリスへ渡った後も現地で不妊治療を始めたが、イギリスに、しかも不妊治療をしている友達なんていなかったので、ネット上で評判がまずまずなクリニックに決めて始めたのですが、このクリニック推奨の方法が私には合わず、カスタマーサポートも最悪で、2回の移植を試みるも成功せず。

ほぼ妊娠を諦めていた時に、自分と年齢の近い親しい友達が2人とも同じクリニックですぐに授かったのを見て、私もそこで試したい!と思いました。友人の体験談を聞くことで自分に合ったそのクリニックと出会うことが出来ました、そして授かることも出来ました。

これから治療を考える方には、ネット上の情報や成功率だけで判断せず、身近な人からの情報にも是非耳を傾けてほしいと思います。少々センシティブな問題で友人に相談し辛い方もいるかも知れないけれど。私は切羽詰まっていたので、色んな人に相談したことで、情報が入りやすくなっていたと思います。どのクリニックで治療を始めるかは、治療そのものと同じくらい重要だと私は思います。