不妊治療で注意したいこと

日本で不妊治療をする前にイギリスで1年半頑張りましたが、私の場合上手く行きませんでした。それはイギリスの不妊治療のスキルや体制が悪いからではなく、私の置かれた状況や私たち夫婦が選んだ選択が悪かったと思っています。もしあなたがこれからイギリスで治療する場合は、以下の点に気を付けて頂ければと思います。日本で治療する場合も当てはまる項目がありますので、参考にして頂ければと思います。

あなたはNHSの補助の対象者ですか?

NHS(イギリスの無料医療機関)の補助が出る対象ではない場合、不妊治療にかかる費用は全額自己負担となりかなりの高額です。対象でない場合、そして日本であれば国から補助が出る対象(43歳の誕生日より前の方)となるのであれば尚更、イギリスでの不妊治療はお勧めできません。

NHSの対象かどうかはVISAの種類や年齢、婦人検診の数値によって変わります。私は、散々GPと話したり、最寄りの総合病院で検査までして、私の検査数値は対象内であることが分かった一番最後に、SPOUSE VISA(結婚ビザ)の場合主人がイギリス人でも対象となりません、と言い放たれました。どうして検査が始まる前に最初に言ってくれなかったのか!ご存じ、GPは対応が遅いので、この検査もろもろに私は半年もかかっていました。30代後半でこの半年がどれだけ大切な時間か分かっているのだろうか!私は憤慨してGPを責めましたが、GPのドクター(イギリスではコンサルタントと呼ばれる)には診療に来た人を診ることしか頭になく、対象者かどうかを判断するのはその上の機関(私の時の場合は総合病院から電話が来ました)だったからのようです。それにしても効率が悪すぎます。

こうならない為にも、GPで検査を始める前に、まず対象者と成りうるかどうか、不明の場合はどこに問い合わせたらよいか聞きましょう。

不妊治療成功最大の理由はクリニック選びに有り

同名エピソード「クリニック選びは慎重に」の中でも語りますが、治療の成功如何はクリニック選びに大きく左右されると思っています。イギリスで周りに経験者がいなかったので、この点でも失敗していたと思います。私の選んだクリニックは、ネット上の評判はまずまずでしたが、結果的に高額な上に治療方法も対応も悪く、ストレスでしかなかったです。イギリス内に聞ける人がいない場合難しいと思いますが、出来るだけ情報収集してから決めるようにして下さい。

前もって知識を付けておく

先だって知識があることで、現地のドクターが英語で何を話しているのかが理解しやすかったり、何を相談すべきかが分かります。私は、日本のサイトで不妊治療の基礎的な知識を勉強し、イギリスローカルのサイトボキャブラリの知識を付けました。日本のサイトは検索すれば幾らでも出てくるので問題ないと思いますが、イギリスローカルの方が書いているこのブログは大変役に立ったので、ここに紹介させて頂きます。
The Duff

ICSIを選びましょう

ICSI (Intracytoplasmic sperm injection) は女性の卵子にパートナーの精子を直接挿入する方法です。「ふりかけ方式」とよばれる従来の体外受精では、卵子に精子を振りかけて勝手に受精される方法ですが、ICSIですと培養士が一番威勢のいい精子を選んで挿入するので、受精率が高いと聞いています。私はイギリスで通常のふりかけ方式で大丈夫と勧められましたが成功せず、日本で年齢を鑑みてICSIを進められて成功したので、ICSIを推奨しています。もちろん、成功不成功には他にも色々な理由があるとは思います。

マイルドな投薬方法を選びましょう

私はイギリスでの不妊治療の際は薬漬けでした。一日5回の腹部注射、頸部タンポン注射、1日4回の服用薬など。そしてそれ全部を自分でやるのです。これらを会社のトイレ(しかもイギリスのトイレは衛生面がちょっと・・)でやる気がしなかったので、治療中は職に就くのを辞めました。卵巣過剰刺激症候群(OHSS)になってしまったし、体がどんどん弱っていくのが分かって、3回目の移植を待たずしてこのクリニックでの治療を断念してしまいました。

対して、日本で行った治療は基本的に錠剤を服用するだけで、出来るだけ自身が持つ本来の生殖能力を引き出して行う、マイルドな投薬のものでした。身体への負担が殆どなく、身体がすでにぼろぼろの状態にあった私にとっては本当にありがたかった!この方法だと通常採卵しても0-3個くらいしか取れないのですが、私は1個しか採れず、ですがその一つで晴れて妊娠することが出来ました。ラッキーだったのかもしれませんが、同じ方法で妊娠した友人を何人か知っているので、多くの人に当てはまる方法だと思っています。もしそのような選択肢があるのであれば、こちらを強く推奨します。

ただ、この方法を取れるかは初診の検査結果によって変わりますし、既に何か課題を抱えている方(子宮内の環境や年齢的なもの)、一回の採卵で確実に数個取りたい(取らなければならない)場合は、注射を伴ったより強めの投薬を余儀されないこともあると思います。

以上、あなたの治療方法の選択に少しでも参考になれば幸いです。